ひさです。今日は数字の話だけをします。
「金利が上がるらしい」というニュースを見て、なんとなく不安になっている人が多い。でも、自分の返済がいくら増えるかを計算した人は少ない。計算しないから、不安のまま持ち続けるか、不安のまま安く手放すかになる。

先に結論。残債2,000万円・残り25年・いま金利2.0%の人は、金利が0.5%上がると返済が月4,952円増える。1.0%なら月10,071円、1.5%なら月15,354円。月1万円は、ワンルームの手出しでは決定的な数字です。
計算の前提
元利均等返済(毎月の返済額が一定になる、いちばん普通の方式)。金利が上がった時点の残債と残り期間で、返済額を組み直す。数字は計算式から出した理論値で、銀行の端数処理で数百円ずれます。
投資用ローンには「5年ルール」が無いことが多い
実際の変動金利には「5年ルール」「125%ルール」で返済額の上げ幅を抑える仕組みがある銀行もあります。ただし投資用ローンには付いていないことが多い。あなたの契約書で確かめてください(「金利見直しの通知が来たらどこを見るか」の記事に書きました)。
残債・残り期間別に、金利上昇でいくら増えるか(いま2.0%の場合)
| 残債・残り期間 | いまの返済(月) | +0.5% | +1.0% | +1.5% | +2.0% |
|---|---|---|---|---|---|
| 1,500万円・25年 | 63,578円 | +3,714円 | +7,554円 | +11,515円 | +15,597円 |
| 2,000万円・25年 | 84,771円 | +4,952円 | +10,071円 | +15,354円 | +20,797円 |
| 2,500万円・30年 | 92,405円 | +6,375円 | +12,996円 | +19,856円 | +26,949円 |
| 3,000万円・30年 | 110,886円 | +7,650円 | +15,595円 | +23,828円 | +32,339円 |
いま1.8%の人も2.5%の人も、増え方はほぼ同じです(残債2,000万円・25年で、+0.5%あたり月4,900〜5,100円)。
「月5,000円くらいなら」と思った人へ
月5,000円は、年6万円、残り25年で150万円です。しかも、これは0.5%の話。
ワンルームの収支を思い出してください。多くの部屋は、家賃と返済がほぼ同じか、すでに月1〜2万円の手出しになっている。そこに月1万円が乗ると、手出しは倍になる。
「持ち続ければいつか黒字になる」という話は、金利が動かない前提で作られていました。
金利が上がると、売値も下がる
ここが一番言いたいところです。
金利が上がると、あなたの返済が増えるだけではありません。買い手の返済も増える。買い手は「家賃で返済が回る値段」でしか買わないので、金利が上がった分だけ、買い手が出せる値段が下がります。
ざっくり言うと、家賃が同じなら、買い手の融資金利が1%上がると、買い手が払える値段は1割前後下がります(利回りで値段が決まるため)。2,000万円の部屋なら、200万円。
つまり金利上昇は、持っている人には返済増、売る人には売値減、の両方で来る。「上がってから考える」は、両方を食らってから考える、という意味です。
それでも持てる部屋
いまの手出しがゼロで、+1.0%の増加分を家賃が吸収できる部屋。残債が小さい、頭金が厚い、家賃が高い。この3つのどれかがある部屋は、金利が上がっても回ります。私は仲介業者ではないので、そういう部屋には「まだ持て」と言うこともあります。
今日やること
4番で続けられないなら、金利が上がる前に、いくらで売り出されている帯にいるのかを見ておくべきです。トップの金利上昇シミュレーターに自分の残債・金利・残り年数を入れれば、上の表の「あなたの行」がそのまま出ます。出た数字を、下のどれかで私に見せてください。
数字を見てから、決めてください。
売れ、とも持て、とも私は言えます。仲介業者ではないからです。出口は3つ用意してあります。
*数字は元利均等返済の計算式による理論値です。個別の契約の返済額は金融機関の返済予定表が正です。本記事は一般的な情報提供であり、個別の物件の価格を示すものではありません。*