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ワンルーム投資は、悪だ。~被害報告局~

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売りに出ているワンルームの56%は、銀行の評価より高い値段が付いている。割高診断3,985件で見た「売出価格」の正体

売りに出ているワンルームの56%は、銀行の評価より高い値段が付いている。割高診断3,985件で見た「売出価格」の正体

ひさです。今日は「相場」の話です。

「うちのマンション、いくらになりますか」と聞かれたとき、多くの人が最初に見るのは、同じ建物の売出価格です。ポータルサイトに出ている値段。あれを相場だと思って、自分の部屋の値段を決める。

ひさ
ひさ

結論から言います。売出価格は相場ではありません。売り手の希望です。そして、その希望の半分以上は、買い手の融資が付かない水準にあります。

見たデータ

2023年〜2026年に売りに出た、東京23区・横浜・川崎の投資用ワンルームの売出資料3,985件。それぞれに、当社の割高診断が出した評価額(銀行が融資を組むときの評価の計算式で出した参考値)を付けてある。比べたのは「売出価格 − 評価額」。プラスなら、売出価格のほうが高い。

個別の建物や部屋の価格はここでは出しません。出すのは全体の傾向だけです。

56%は評価より高い

売りに出ている3,985件を、評価額と比べると危険(大きく乖離)41%(1,639件)割高15%(586件)許容15%(595件)安全(評価以下)29%(1,165件)
赤の2つで56%。買い手が評価どおりに融資を組んでも買えない値段
区分件数割合意味
危険(評価から大きく乖離)1,63941%買い手の融資が下りにくい。下りても多額の手出し
割高58615%評価より高いが、買い手が自己資金を積めば届く
許容59515%評価とほぼ同じ
安全1,16529%評価以下。融資が付きやすい

危険+割高で56%。売りに出ているワンルームの半分以上は、買い手が銀行の評価どおりに融資を組んでも買えない値段で出ています。評価より高い物件の、評価との差は平均443万円。中央値で見ると、全件で141万円です。

年々、乖離が広がっている

売出の年件数危険の割合評価との差(平均)
2023年1,03033%247万円
2024年1,20245%375万円
2025年1,15244%329万円
2026年(9月まで)44448%324万円

2023年には3件に1件だった「危険」が、2026年には2件に1件です。売り手の希望価格が上がった一方で、銀行の評価(家賃が元)はそれほど上がっていない。売り手の希望と、買い手が払える額の差が、開いています。

場所で違う。港区は65%が危険

「危険」の割合(区別・上位と下位)港区65%荒川区61%渋谷区59%新宿区43%練馬区32%横浜市22%
都心ほど売出価格も高いが、評価との差も大きい
件数平均売出価格危険の割合評価との差(平均)
港区2204,248万円65%616万円
荒川区642,507万円61%456万円
渋谷区2444,098万円59%502万円
文京区992,788万円58%400万円
品川区1483,657万円54%534万円
豊島区2462,601万円48%275万円
世田谷区1662,727万円45%362万円
中央区1653,720万円44%355万円
新宿区2123,073万円43%330万円
板橋区1942,203万円39%229万円
練馬区1741,895万円32%200万円
川崎市1701,860万円31%187万円
横浜市4941,669万円22%156万円

「都心なら高値が付く」は半分だけ本当です。都心は売出価格も高いが、評価との差も大きい。港区の売出価格をそのまま信じて自分の部屋に値を付けると、3件に2件は買い手の融資が付かない水準になります。

新しい建物ほど、希望と評価がずれる

築年件数危険の割合評価との差(平均)
2020年以降16753%568万円
2010年代91055%451万円
2000年代99354%356万円
1999年以前1,91027%197万円

新築に近いほど、売り手は「買ったときの値段」で売りたがります。買い手は「いまの家賃」で値段を付ける。この差が、そのまま評価との差になります。築20年を超えると、売り手の希望が現実に寄ってきて、差は小さくなる。

売る人にとって、これが何を意味するか

4つ

同じ建物の売出価格は「上限の希望」だと思ってください。それで売れた保証はどこにもありません(売出資料は成約を追っていません)。

買い手は融資で買います。だから、売れる値段の天井は「買い手の銀行が付ける評価」です。売出価格の56%はその天井を超えています。

高く売りたいなら、売出価格の帯の上限に出すのは自由です。ただし、その帯で「売れている」かどうかは別の話。長く売れ残ると、値下げのたびに「売れ残り物件」として見られます。

早く売りたいなら、評価の帯に置くのが近道です。融資が付く値段なら、買い手の候補が一気に増える。

私は、どちらが正しいとは言いません。高く出して待つ人もいれば、評価の帯で早く抜ける人もいる。ただし、両方の帯を知らずに決めるのは、目隠しで値札を付けるのと同じです。

今日やること

今日やること1同じ建物の売出価格を「上限の希望」として書き出す売れた保証はない2家賃×12÷4.5% で、買い手の融資が付きやすい帯を出すこれが売れる値段の天井の目安3高く出して待つか、評価の帯で早く抜けるかを、両方の数字で決める片方だけ見て決めない

建物ごとに、いまいくらで売りに出ているか(売出価格の帯)と、買い手の融資が付きやすい帯を並べたページを順に作っています。まず自分の建物の帯を見て、トップの金利上昇シミュレーターで待つ間の返済も出して、それから決めてください。帯の読み方で迷ったら、下のどれかへ。


*数字は当社の割高診断データ(2023〜2026年の売出資料3,985件)の集計です。評価額は銀行の融資評価の計算式で出した参考値であり、査定ではありません。売出価格は成約価格ではありません。個別の物件の価格は示していません。売却の査定・媒介は免許を持つ不動産会社が行います。*