ひさです。今日は事件のさかのぼりです。
「みんなで大家さん」は、ワンルーム投資ではありません。それでもこの事件を書く理由が1つある。あなたが持っているワンルームと、お金の流れの形が同じだからです。

「家賃(分配金)は保証します」と言われて買う。保証しているのは売った会社。その会社が止まった瞬間、手元にはローンだけが残る。形はこれです。
行政が認定した事実(東京都の発表文から)
まず、行政の発表文に書いてあることだけを書きます。伝聞ではありません。
2024年6月17日、東京都と大阪府が、販売会社(みんなで大家さん販売)と営業者(都市綜研インベストファンド)に、不動産特定共同事業法にもとづく業務の一部停止30日間と指示処分を出しました。全業務が止まったのではありません。止まったのは成田商品の新規の募集・販売です。期間は東京都が6月21日から7月20日、大阪府が6月18日から7月17日。
そして2026年9月1日、東京都は販売会社の許可を取り消しました。同じ日に大阪府も営業者の許可を取り消しています(府の分は報道5社が一致。府の発表文は取れていません)。
東京都の発表文が書いている取消しの理由は、これです。
東京都が認定した中身(2026年9月1日の発表文)
対象不動産の賃料が一定期間テナントから支払われていなかったのに、営業者に賃料の支払状況を調査せず、調査していないと分かったうえで、契約成立前交付書面の「賃料の支払状況」の欄に「該当なし」と記載して交付・説明し、事業参加者を誤認させた。
2024年6月の指示処分のあと、再発防止策としてAIツールの活用と外部弁護士のチェックを行うと報告していたが、実際には行っていなかった。
この状態で販売を続け、事業参加者199名と契約し、出資額の合計431,000,000円(4億3,100万円)を支払わせた。
賃料が入っていないことを調べもせず、書面には「該当なし」と書いて、199名に4億3,100万円を出させた。これは誰かの主張ではなく、行政が認定して許可を取り消した理由です。
⚠️ この199名・4億3,100万円は、2024年の指示処分より後に、その書面で契約させた分だけの数字です。下に書く全体の規模とは、測っているものが違います。足し算をしないでください。
全体で何が起きていたか(ここから先は報道ベース)
| いつ | 何が |
|---|---|
| 2020年11月〜2024年2月 | 主力商品「シリーズ成田」を第18号まで募集。想定利回り年7%・運用5年・1口100万円。募集総額は累計約1,973億円 |
| 2024年6月の処分の翌日まで | 24時間で投資家470人あまりから解約の申し入れ。解約請求の総額は28億円以上(日経不動産マーケット情報の報道による) |
| 2025年 | 分配金の遅れが27商品に広がる。延べ3万8,000人以上から約2,000億円を集めていた |
| 2025年11月 | 出資者1,191人が出資金114億円の返還を求めて集団提訴 |
| 2025年11月末 | 成田の複合施設の用地について、地主(成田国際空港)が賃貸借契約の延長を認めず、計画そのものが止まる |
| 2026年2月 | 追加提訴。原告は合わせて約2,500人、請求は約230億円 |
この表の数字は報道の整理です。行政の発表文で確かめたのは、前の章の分だけ。確かめた数字と、報道の数字を、私は分けて書きます。
「詐欺」とは書きません。でも、構造は書けます
裁判はまだ続いています。だから私は、この件に「詐欺」という言葉を使わない。書けるのは、行政が処分した理由と、お金の流れの形です。
収益を生む実体がないのに、約束した金額が払われ続ける。この形が続く限り、誰も気づきません。止まった瞬間に、全員が同時に気づく。
ワンルームと何が同じか
あなたのワンルームに置き換えます。
| みんなで大家さん | あなたのワンルーム |
|---|---|
| 「年7%の分配金」 | 「家賃保証(サブリース)」「30年安心」 |
| 払っているのは営業者の会社 | 払っているのは販売会社の子会社(管理会社) |
| 原資は施設の収益のはずだった | 原資は入居者の家賃のはずだった |
| 施設が完成しなかった | 空室・家賃下落・修繕費で、家賃だけでは足りない |
| 会社が止まると分配金が止まる | 会社が「家賃を下げます」「解約します」と言えば、保証は終わる |
| 書面の「賃料の支払状況」が実態と違った | 保証家賃の額と、入居者が実際に払っている家賃が違う |
最後の行が、今回いちばん効きます。書面に書いてある数字と、実際に入っている数字がずれていないか。これは、あなたの部屋でも今日確かめられます。
違いは1つだけ
みんなで大家さんの出資者は、出した100万円を失うところで止まります。ワンルームを持っているあなたは、物件を持ったまま、ローンが残る。保証が終わっても、返済は終わりません。
持っている人が、今日やること
4番の数字が月2万円を超えているなら、その部屋は「保証が続いている間だけ回っている」部屋です。回っているように見えるだけで、回してくれているのは、保証している会社の寿命です。
売るべきか
この事件から言えるのは、「保証」を頼りに持ち続けるのは、保証している会社の寿命に賭けること、だということです。
会社の寿命に賭けたくない人は、保証が生きているうちに、保証付きのまま売る道があります。保証が切れてから売ると、買い手は「保証なしの家賃」で値段を付ける。
持つ選択が成り立つ人
保証が今日終わっても、実際の家賃で返済と経費が回る部屋。そういう部屋は、保証の会社が止まっても止まりません。私は仲介業者ではないので、そういう部屋には「持て」と言えます。
あなたの部屋が、いま何の上に乗っているのか。まずトップの金利上昇シミュレーターで、保証が切れたときの手出しに金利上昇が重なるとどうなるかを出してください。契約書のどこを見ればいいか分からなければ、下のどれかで。写真を送ってもらえれば、私が条項を一緒に読みます。
数字を見てから、決めてください。
売れ、とも持て、とも私は言えます。仲介業者ではないからです。出口は3つ用意してあります。
*処分の内容は東京都の報道発表(2024年6月17日・2026年9月1日)と、大阪府の報道発表(2024年6月17日・アーカイブで確認)にもとづきます。大阪府の2026年9月1日の許可取消は報道5社の一致で、府の発表文は取れていません。募集総額・出資者数・提訴の人数と請求額は報道の整理です。本記事は事実の整理と、ひさの意見です。個別の物件の価格は示しません。売却の査定・媒介は免許を持つ不動産会社が行います。*