ひさです。今日は「待つ」の話です。
いまは残債のほうが多いから、もう少し待てば売れると思って。

持ち続ける理由で一番多いのが、これです。待てば残債は減る。でも、価格も下がる。金利も上がるかもしれない。この3つを同時に動かすと、差額がいつプラスに変わるのか。トップのシミュレーターの初期条件で計算しました。
試算の条件(これは例で、あなたの数字ではありません)
借入残高2,500万円、金利2.4%、残り25年、築10年。金利は、今すぐ+1.0ポイント(3.4%)、10年後にさらに+1.0ポイント(4.4%)。金利が上がった時点の残債を、元の満期までの残り期間で組み直す。売却想定価格は2,000万円(残高−500万円の仮の価格)から、5年ごとに10%下がる(直前の価格から。1,800万→1,620万→1,458万円)。元利均等返済・ボーナス返済なし。返済額の据え置きルールは入れない。
数字の意味
2.4%は代表的な金利ではなく、残高−500万円は査定ではなく、5年ごと10%は市場の予測ではありません。計算の起点として置いた数字です。価格が上がる場合もあります。
差額の推移(上昇金利の場合)
| 時点 | 売却想定価格 | 残債(上昇金利) | 売却差額 | 毎月の返済 |
|---|---|---|---|---|
| 今 | 2,000万円 | 2,500万円 | −500万円 | 110,899円 |
| 今(3.4%に上がった直後) | 2,000万円 | 2,500万円 | −500万円 | 123,819円 |
| 5年後 | 1,800万円 | 2,154万円 | −354万円 | 123,819円 |
| 10年後(4.4%へ) | 1,620万円 | 1,744万円 | −124万円 | 132,523円 |
| 15年後 | 1,458万円 | 1,285万円 | +173万円 | 132,523円 |
この条件では、差額がプラスに変わるのは10年後と15年後の間です。それまでの毎月の返済は、いまより1万3千円〜2万2千円多い。
金利が上がらなかった場合と比べる
| 時点 | 残債(2.4%のまま) | 売却差額(2.4%のまま) | 売却差額(上昇金利) | 差 |
|---|---|---|---|---|
| 5年後 | 2,112万円 | −312万円 | −354万円 | 42万円 |
| 10年後 | 1,675万円 | −55万円 | −124万円 | 69万円 |
| 15年後 | 1,182万円 | +276万円 | +173万円 | 103万円 |
金利が2段階で上がると、同じ15年で残債が103万円多く残り、その分だけ差額が小さくなります。返済額を増やして払っているのに、残債は減りにくい。「元金が減らない」のではなく、減る速さが落ちる、が正確な言い方です。
「売却差額がプラス」と「儲かった」は別
売却差額は「売却想定価格 − 残債」です。ここには入っていないものがある。買ったときの自己資金(頭金・諸費用)。持っている間の毎月の手出し(この例では返済が家賃を上回る分)。売るときの費用(仲介手数料など約80万円〜)と税金。
15年後の+173万円から、15年分の手出しと売却費用を引くと、投資全体ではマイナスのことが普通です。差額がプラスになる年=儲かる年、ではありません。「持ち出しなしで手放せる年」です。
この表の使い方
並べた結果、「いま売る」のほうが小さい人もいれば、「持つ」のほうが小さい人もいます。数字が持つことを支持するなら、持てばいい。私は仲介業者ではないので、そう言えます。トップの金利上昇シミュレーターは、上の表をあなたの数字でそのまま作ります。出た表の読み方で迷ったら、下のどれかへ。
数字を見てから、決めてください。
売れ、とも持て、とも私は言えます。仲介業者ではないからです。出口は3つ用意してあります。
*数字は元利均等返済の計算式による理論値で、トップのシミュレーターと同じ試算条件です。代表的な金利・査定額・価格の予測ではありません。契約による据え置きや上限のルールは含めていません。個別の物件の価格を示すものではなく、売却の査定・媒介は免許を持つ不動産会社が行います。*