ひさです。今日は売り方の2択です。
業者から「すぐに買い取りできます」と電話が来ました。仲介手数料もかからないし、早いし、いいのかなと。

手数料がかからないのは本当です。ただ、買取の値段は、その業者が転売して利益を出せる値段です。手数料の72万円と、買取の値引きの数百万円。どちらが大きいかを、先に並べます。
2つの売り方
仲介は、不動産会社があなたの代わりに買い手を探し、成約したら手数料をもらう形です。買い手は投資家か、住む人。売れるまで数か月かかることがある。
買取は、不動産会社そのものが買い手になる形です。手数料はかからず、早ければ2週間で決済。ただし、その会社は買った部屋を転売して利益を出す。仕入れ値は転売価格より低くなります。業界では市場価格の7〜8割台が普通と言われています。これは当社の統計ではなく、一般に言われる幅です。
2,000万円の部屋で並べる
仲介で2,000万円で売れる部屋を置きます。仲介手数料は上限で、2,000万円×3%+6万円に消費税を掛けて72.6万円。
| 売り方 | 値段 | 手数料 | 手取り(残債を返す前) | 差 |
|---|---|---|---|---|
| 仲介 | 2,000万円 | 72.6万円 | 約1,927万円 | — |
| 買取(市場の85%) | 1,700万円 | 0 | 1,700万円 | −227万円 |
| 買取(市場の80%) | 1,600万円 | 0 | 1,600万円 | −327万円 |
| 買取(市場の75%) | 1,500万円 | 0 | 1,500万円 | −427万円 |
| 買取(市場の70%) | 1,400万円 | 0 | 1,400万円 | −527万円 |
手数料72.6万円を惜しんで、200万〜500万円を手放す。買取の電話が「手数料がかかりません」から始まるのは、この比較をさせないためです。
買取が向く場合は、ある
私は買取を否定しません。向く場合が3つあります。
急いでいる人、部屋に不具合があって仲介では時間がかかる人、売ることを周りに知られたくない人。この3つに当てはまるなら、200万〜500万円は「時間と手間の値段」として払う意味があります。当てはまらないなら、払う理由がありません。
買取の値段を見るときの順番
買取の提示額を見る前に、仲介で売れる帯(同じ建物の売出価格と、買い手の融資評価の帯)を先に出しておくこと。順番が逆になると、提示額が高いのか安いのか判断できません。「売出価格の56%は評価より高い」の記事に、帯の見方を書きました。
残債があるときは
手取りが残債を下回ると、決済の日に差額を用意することになります。買取で1,600万円、残債が1,800万円なら、200万円をその日に払う。仲介で1,927万円なら、73万円で済む。残債がある人ほど、この差が効きます(「残債が売値を上回るとき」の記事)。
急いでいないなら
数字が回っている部屋で、急ぐ理由が無いなら、買取の電話に答えは要りません。持つ選択も、仲介で時間をかけて売る選択も成り立ちます。買取は「今すぐ現金が要る」ときの道です。
今日やること
3番の帯は、トップの金利上昇シミュレーターで返済の増え方と並べると、「急ぐ理由があるか」も一緒に見えます。買取の提示額が手元にあれば、下のどれかで私に見せてください。帯と並べて返します。
数字を見てから、決めてください。
売れ、とも持て、とも私は言えます。仲介業者ではないからです。出口は3つ用意してあります。
*買取価格の割合は業界で一般に言われる幅で、当社の統計ではありません。仲介手数料は国土交通省の告示による上限で、下限はありません。数字はモデルケースによる試算です。個別の物件の価格を示すものではなく、売却の査定・媒介は免許を持つ不動産会社が行います。*