ひさです。
売ると決めたら、ローンは全額返します。その前に、返せるかどうかを確かめてください。
返したいって言えば、返せるんじゃないんですか
そう思いますよね。私もそう思っていました。ところが「できません」と書いてある契約があります。今日はそれを2つ、原文で読みます。
契約書に、こう書いてあります
静岡銀行の金銭消費貸借契約証書【規定】、第35条(固定金利期間中の繰上完済・一部繰上返済の禁止)。
借主ならびに保証人は、この契約に基づく債務について、第2条の定めにかかわらず、固定金利期間中は、原則としてその一部または全部を期限前に繰り上げて返済することができないものとします。ただし、銀行が(後略)
三井住友信託銀行のアパートローン、商品概要説明書の「繰上返済および手数料」。
固定コース 特約期間中の繰上返済(一部繰上返済を含む)はできません。ただし、お客さまからやむを得ないご事情により、繰上返済のお申し出があった場合、弊社がこれを認めて、繰上返済に応ずることがあります。
どちらも「原則としてできない」。そしてどちらも「認めることがある」と続きます。
認めてもらえたら、いくらかかるか
三井住友信託銀行のほうには、認められた場合の計算式まで書いてあります。
【違約金の計算式】繰上返済元金×2.0%
同じ銀行の同じ商品で、変動コースなら全額繰上返済5,500円。固定コースで認められた場合は、残債2,000万円なら40万円です。
この数字の読み方
40万円は、私が残債2,000万円で計算した例です。実際の額は、そのときの繰上返済元金と、あなたの契約によります。
そしてこれは2行で見ただけです。「固定は全部ダメ」とも「変動が有利」とも書きません。2つの契約書に、こう書いてあったという事実だけです。
特約期間は、3年から30年まであります
三井住友信託銀行の固定金利コースは、3・5・10・15・20・30年から選ぶ形です。
30年を選んでいたら、その間はずっと「原則としてできない」側にいることになります。⚠️ どれくらいの人が長い期間を選んでいるのかは、私は知りません。数えていないので書きません。ただ、自分がどれを選んだかは、契約書を見れば分かります。
売る時期を、契約が決めていることがある
ここが、売る人にとっていちばん効くところです。
「いくらで売れるか」を考える前に、「いつなら返せるか」が決まっている場合があります。相場が良くても、固定の特約期間中なら、そもそも動けないかもしれません。
そして、認められても額が読めません
静岡銀行の規定は「ただし、銀行が(認めたときは)」と続きます。三井住友信託銀行は「弊社がこれを認めて、繰上返済に応ずることがあります」。どちらも「認めることがある」で、条件は書かれていません。
⇒ 売る時期を決める前に、借入先に聞いてください。認めてもらえるのか、認められたらいくらか。聞くのは無料です。
🚨 ここで線を引きます
静岡銀行の「アパートローン」に、この規定が使われるかは分かりません
私が読んだのは、静岡銀行が公開している金銭消費貸借契約証書の規定です。アパートローンにこの規定が付くかどうかは、確かめられていません。だから「静岡銀行のアパートローンは繰上返済できません」とは書きません。
あなたの契約にどの規定が付いているかは、あなたの契約書の綴じ込みにしか書いてありません。
今日やること
手数料がいくらかを調べる前に、そもそも返せるのかを見てください。順番が逆だと、売る計画そのものが立ちません。
数字を見てから、決めてください。
売れ、とも持て、とも私は言えます。仲介業者ではないからです。出口は3つ用意してあります。
*引用した条文と文言は、静岡銀行「金銭消費貸借契約証書【規定】」と三井住友信託銀行「アパートローン」商品概要説明書(2024年10月1日現在)のPDFを2026年9月22日に取得し、原文を読んで確認したものです。2行で確認しただけであり、他行が同じだとは書いていません。静岡銀行の規定がアパートローンに使われるかは確認できていません。40万円は残債2,000万円で当方が計算した例で、実際の適用は契約によります。個別の物件の価格は示していません。売却の査定・媒介は免許を持つ不動産会社が行います。融資の条件は、借入先の金融機関にご確認ください。*