ひさです。今日は売り方の話です。
投資用ワンルームは、ほとんどの場合、入居者がいるまま売ります。これを「オーナーチェンジ」と言う。入居者はそのまま、家賃はそのまま、変わるのは大家だけ。手間が少なく、売り手には都合がいい。

でも、後悔する人が多い。理由は1つです。買い手は、あなたの家賃を信じていない。
買い手の値段の付け方
自分で住む人は「この部屋に住みたいか」で値段を見ます。オーナーチェンジの買い手は投資家なので、家賃から逆算する。
値段 = 年間家賃 ÷ 買い手が求める利回り
家賃9万円、買い手が求める利回りが4.5%なら、9万円×12か月÷4.5%=2,400万円。この式に、後悔の種が2つ入っています。
種1。家賃が相場より高いと、値引かれる
いまの入居者が5年前から住んでいて、家賃9万円を払っている。でも、同じ建物の空室はいま7.8万円で募集されている。
買い手はこう考えます。「この入居者が出たら、次は7.8万円でしか貸せない」。だから買い手が計算に使う家賃は9万円ではなく、7.8万円です。7.8万円×12÷4.5%=2,080万円。差は320万円。
逆に、いまの家賃が相場より低い場合(長く住んでいる入居者で、家賃を上げていない)は、買い手は「入居者が出るまで上がらない」と見て、やはり低い家賃で計算します。どちらに転んでも、買い手は自分に有利な家賃を使う。
種2。「求める利回り」は、あなたが決められない
買い手が求める利回りは、金利・立地・築年・管理状態で変わります。
利回り1%の差で、値段は400万〜600万円動きます。金利が上がると、買い手の求める利回りも上がる(買い手の返済が増えるから)。金利上昇は、あなたの返済だけでなく、あなたの売値も削ります。
空室で売るという選択
入居者が退去したタイミングで売ると、買い手の候補に「自分で住む人」が加わります。自分で住む人は利回りで見ないので、投資家より高く払うことがある。ワンルームでは限られますが、25㎡以上・駅近・築浅なら現実的です。
| オーナーチェンジで売る | 空室で売る | |
|---|---|---|
| 買い手 | 投資家だけ | 投資家+自分で住む人 |
| 値段の決まり方 | 家賃÷利回り | 住む価値(比較は同じ広さの分譲相場) |
| 売れるまでの収入 | 家賃が入る | 入らない(空室の間は手出し) |
| 向く部屋 | 家賃が相場並みで、利回りが出る | 25㎡以上・駅近・築浅 |
できないこと
空室にするために入居者に退去を求めることはできません(正当事由の問題)。退去のタイミングが来たときに「募集をかけずに売る」を選べるかどうか、という話です。
今日やること
3番の数字が「あなたの部屋の、オーナーチェンジで売れる帯」です。同じ建物の売出価格とは別物なので、両方見てください。トップの金利上昇シミュレーターで、買い手の金利が上がったときの返済も見ておくと、買い手が利回りを上げる理由が分かります。
私は仲介業者ではないので
「売れ」とは言いません。ただ、買い手がどう計算するかを知らずに値札を付けるのは、目隠しで交渉するのと同じです。募集家賃の調べ方で迷ったら、下のどれかで。
数字を見てから、決めてください。
売れ、とも持て、とも私は言えます。仲介業者ではないからです。出口は3つ用意してあります。
*利回りの数字は一般的な範囲の例です。個別の物件の価格は示していません。売却の査定・媒介は免許を持つ不動産会社が行います。*