ひさです。相談で一番多い言葉から始めます。
サブリースを解約したいんですが、できないと言われました。

できないと言われた人は、正しく聞いています。原則として、貸主であるあなたからは解約できません。業者が意地悪をしているのではなく、法律がそうなっているからです。
なぜ解約できないのか(法律の形)
サブリースは、あなたが業者に部屋を貸し、業者が入居者に又貸しする仕組みです。この「あなたが業者に貸す」契約は、法律上ふつうの賃貸借契約。つまり、業者はあなたの「借主」です。
借主は借地借家法で守られます。貸主から契約を終わらせるには「正当事由」(貸主が自分で使う必要があるなど、よほどの理由)が要る。「家賃保証をやめたいから」は正当事由になりません。営業マンが言った「家賃保証で安心」は、裏返すと業者が借主として保護される契約に、あなたが貸主として縛られるという意味でした。この説明を契約前に受けた人は、私の相談では少数です。
2020年12月からは、サブリース業者に対して、契約前に「家賃は減額されることがある」「貸主から解約できないことがある」を書面で説明する義務が課されています。それより前に契約した人は、説明を受けていないのが普通です。
解約できる場合と、その値段
例外はあります。
解約が動く3つの場合
業者の側から解約する場合。業者には正当事由が要りません。だから「家賃を下げます。飲めないなら解約します」が業者から言えて、あなたからは言えない。この非対称が、サブリースの正体です。
合意解約。業者が「解約金を払うなら」と応じる場合。金額は契約書に書いてあることもあり、書いていなければ交渉です。相談で見る範囲では、保証家賃の3か月〜6か月分の幅が多い。家賃8万円なら24万〜48万円。ただし業者と契約によってまったく違います。
契約書に「貸主からの解約」の条項がある場合。稀ですが、あります。まず契約書の「解約」「中途解約」の条を読んでください。
弁護士に頼む前に、契約書の解約条項と、業者から来た家賃改定の通知を全部そろえてください。それが無いと、弁護士も動けません。
売る方法は2つ
サブリースが外れなくても、売れます。方法は2つで、値段が違う。
方法1。サブリース付きのまま売る(オーナーチェンジ)
契約ごと買い手に引き継ぎます。手続きは簡単。ただし買い手は、入居者の家賃ではなく、業者からあなたに入る「保証家賃」で値段を付けます。保証家賃は入居者家賃より1〜2割低いのが普通なので、その分、値段が下がる。
さらに、買い手も「解約できない契約」を引き継ぐことを嫌います。買い手の候補が減る分、もう少し下がる。
方法2。サブリースを外してから売る
合意解約で外し、入居者との直接契約(または空室)にしてから売ります。値段は入居者家賃で計算されるので上がりますが、解約金と、外す手間と時間がかかる。
上の例なら、解約金が保証家賃6か月分(46万円)でも、値段が373万円上がるなら、外す価値があります。ただし業者が応じなければ、この方法は使えません。
| 方法1: 付けたまま売る | 方法2: 外してから売る | |
|---|---|---|
| 値段 | 保証家賃で計算(低い) | 入居者家賃で計算(高い) |
| 買い手の数 | 少ない | 多い(実需にも売れる) |
| 手間・時間 | 少ない | 解約交渉+数か月 |
| 費用 | なし | 解約金(目安: 保証家賃の3〜6か月) |
| 使える条件 | いつでも | 業者が合意したときだけ |
今日やること
3番の差が大きいほど、方法2の価値が上がります。差が小さいなら、方法1で早く抜けるほうが合理的なこともある。
サブリースは「解約できない」で思考が止まる人が多い。止まらずに、付けたまま売るならいくら、外して売るならいくら、まで出してから決めてください。トップの金利上昇シミュレーターで、保証家賃のまま金利が上がったときの手出しも見ておくといい。私は仲介業者ではないので、「まだ持て」と言うこともあります。契約書の写真があれば、下のどれかで一緒に読みます。
数字を見てから、決めてください。
売れ、とも持て、とも私は言えます。仲介業者ではないからです。出口は3つ用意してあります。
*法律の説明は一般的なものです。個別の契約の解釈や交渉は弁護士にご相談ください。解約金の幅は相談で見た範囲の目安であり、相場を保証するものではありません。個別の物件の価格は示していません。売却の査定・媒介は免許を持つ不動産会社が行います。*